読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

toricago

Toricago Lifehack Research

勉強会やセミナーの聴講術

情報収集・勉強

セミナーハックとは何か?

 最近は様々なタイプの勉強会やセミナーが開催されている。小規模な勉強会や集い、レクチャー形式の講演会やセミナー、集中的にあるテーマについて学ぶ研修や詰め込み合宿、研究者が集まるような学会、先端技術や業界動向を知るためのカンファレンス、企業が所狭しと並ぶ展示会。ハッカソンやビジネスコンテストも含めれば、実に多種多様。挙げていけばキリがない。
 「友人や先輩に誘われて試しに参加したことがあるな」っていう人もいるだろうし、「自分は結構好んで行っているぜ」という人もいるだろう。しかし、そんな多くのビジネスパーソンの身近となった勉強会やセミナーをいかに有効活用し、新たなテーマについて爆速で学び、自分の仕事や人生に生かしていくか?ということはビジネス書や仕事術の記事などであまり見かけない。あったとしても、「そんな時間があったら仕事に専念せい!」というネガティブな取り上げ方である。
 それでも私たちはセミナーに足を運ぶ。場合によってはプライベートの時間を削ってまで参加する。ライフハッカーとして、そのセミナーというものの正体を研究しつくし、自分が参加することで得られる価値を最大化しなければならない。単に受け身でセミナーを聴講するのではなく、部下を鍛えたり、エクセルやパワポのスキルを上げたりすることと同様に、一種の技能として磨いていく必要があるのだ。
 ということで今回の記事では、勉強会やセミナーのライフハック術を紹介していこう。名付けて「セミナーハック」だ。以下、勉強会も講演会もセミナーも、まとめて「セミナー」という名前で話していく。

<今回の目次>

開始30分以上前に現地入りする

 さて、今日は19時開始21時終了のセミナーに参加予定だとしよう。自分が非常に興味を持っているテーマを扱う内容でワクワクしている。いつも以上に仕事に集中し、予定通りに会場に着けそうだ。そんな状況を想像して欲しい。これからの流れを一緒に確認していこう。
 まず、多くのセミナー案内には、開始時間とともに、開場時間も記されているので、この開場時間に会場入りすることが第一ステップとなる。「でも30分以上前だよ?」という声も聞こえてきそうだが、もちろんその時間も後ほど説明するとおり、有効活用していく。

最前列のど真ん中を陣取る

 会場入りすれば、自分が座る席を決めなければならないが、必ず最前列ど真ん中の席を確保すること。今日紹介するノウハウの中で最も重要な項目だ。なぜかというと、これにより集中力が上がり、気軽に質問できるようになり、講師の熱が伝播してくるのでやる気も湧いてくる。詳しくは後述するが、良いことだらけだ。早めに会場に到着したのも、トラブルによる遅刻を予防するなどの理由もあるが、最前中央の特等席を確保することが最大の理由だ。

開始までの時間に全力で資料を予習

 席を確保したらお手洗いに行きたくなるが、ソコは我慢。何をするかというと、今日のセミナー内容を全力で予習していく。(もし輪読形式の勉強会であれば、そもそも前日までにしっかりと予習しておくことが大前提だが、ここでは通常のセミナーを想定しよう。)
 通常のセミナーであれば、会場入りしたときに初めて資料をもらえるので、それをどんどん読み込む。「どうせ説明してくれるんだから、もったいない」という気持ちは捨てる。わからない用語はどんどんググる。理解できないところはどんどん資料に書き込み、後ほど講師に質問したいことを考えていく。
 50人以下の小規模なセミナーであれば、資料が配られないことが多い。そういうときは講師の名前をググり、過去の講演資料などを読み込んでいく。多くの場合はSlideshareなどで発見できる。(それでもなければ、仕方ないのでその人の会社や業界について軽く調べるに留めて、残りの時間はメールチェックや読書など、やりたいことをやる。)
 実はこの予習段階で、後ろの方に座っていると、次々と入場してくる人たちが気になってしまうのであまり集中できない。知り合いを見つけて雑談を始める人も多いし、近くにいれば会話の内容が気になっちゃう。でも、最前中央に座っていると全然気にならない。開始直前にふと見渡すと、席がほとんど埋まっていて「いつの間に?」と驚くぐらいがちょうど良い。
 開始5分前になれば、30分ほど集中していたので脳を休憩させセミナーに備えよう。このタイミングでトイレに行く。そのために取っておいたのだ。

PCのトラブルはすかさずサポート

 いよいよセミナーが始まる!というときに限って講師側で「PCが動かない、繋がらない」などのトラブルがなぜか発生することがある。しかも運営サイドもあたふたしていて解決しない、という状況もあるかもしれない。ライフハッカーとしてメールを1分で返信したり単語登録を数百個して効率を上げているのに、こういうトラブルに巻き込まれるのは痛い。しかし、「仕方ないか」と諦めていては、セミナーハックは磨かれない。「自分にできることは何かないか」と頭をフル回転させ、もしあればさっと手助けをしよう。
 まずは「PCが繋がらない」というケース。どうせ一番前に座っているので、もし講師が困っていたら立ち上がって助けてあげよう。ライフハッカーはここら辺の操作は得意なはずだ。私はmacコネクタであるMini DisplayPortは常に鞄に入れているので、例え自分が発表する日ではなくても、講師の人が忘れてしまったらさっと差し出せる体勢になっている。
 次に「PCが動かない」というケース。例えばWindowsが勝手にソフトウェアアップデートを開始してしまうなどだ。発表直前に限ってこういうことが発生する。これは結構タイムロスになり、なんだかんだで10分以上は遅れる。こういう時は自分のPCを差しだそう。Dropboxなどのクラウド環境に発表資料を置いている講師が多いので、そこからダウンロードしてもらえば良い。自分は講演中はメールをチェックしたりネットサーフィングはせず、話に集中しているので、PCを差し出しても困ることは少ない。ただし講演途中に自分のブラウザのお気に入りが表示されたり、LINEメッセージの通知が来てしまうと恥ずかしいので、お客様用ログインアカウントを予め作っておく。
 「自分はお金を払って参加しているのに、なぜそこまでせなあかんの?」という反論もあるかもしれない。そういうお客様気分で静観していたい気持ちも良くわかる。しかし、他人が困っていたら助けてあげたり、自分のノウハウを伝授したりするのがライフハッカーというものだ。それに、同じテーマの話を聞きに来た他の多くの参加者の時間も節約になる。もちろん、自分の時間も節約できる。

超絶集中して講師の話にのめり込む

 そしてセミナーが始まれば、「一言一句聞き漏らすまい」という心意気で望む。最前中央に座ったことがある人なら納得して頂けると思うが、自然とそういう気持ちになっていく。一番前だと、他の参加者がネットサーフィングしているPC画面が気になることもないし、遅刻してくる参加者が席を一生懸命探している姿が視界に入ることもない。講師とプロジェクター画面しか見えないし、講師の表情もよく見えるし、頻繁に目が合う。そうすると、講師の熱量が伝播してくるのだ。
 途中でスマホをいじったり居眠りはしない。もし内容がつまらないのなら、それは事前に見抜けなかった自分の責任だ。敗戦処理として最後までちゃんと聞く。いくら一分一秒を惜しむライフハッカーでも講師や会場の士気を下げるような失礼なことはしてはならない。

質疑応答はトップバッターで質問する

 最後に質疑応答の時間を取ってくれることが多い。ここは最初に質問することがポイントだ。最初に質問する利点は、時間が節約され、ハードルが低く、聞きそびれることがないということだ。
 まずは時間節約について説明しよう。司会が「それではご質問のある方は挙手をお願いします」と言ってくれるのだが、1分弱ぐらい何も質問がでなくて「それでは司会の方から1点だけ質問します」という流れがたまに発生する。そして、その後にようやく参加者からの質問が出る。で、残り時間僅かとなると、次々と手が挙がるが、タイムアップで打ち切られる。そして終了後に講師の元に名刺交換したい人と聞きそびれた質問を聞きたい人の長〜い列ができる。
 ライフハッカー的な視点で言えば、最初の1分弱の静まり返った待ち時間が無駄である。講師側からしても、終わった後に質問されても、その答えをその人にしか教えることができない。ある人が気になっていることは、他の人にも有用である可能性が高いはずだから、もったいないことだ。
 一方で、もし自分が間髪を容れずに一発目の質問をすれば、それに続いて次々と手が挙がるので、質疑応答の時間が非常に濃くなる。限られた時間でたくさんの質問を、会場全員が聞くことができる。
 私は以前は「恥ずかしいから様子を見ながら…」とタイミングを伺っていたが、そうすると打ち切られてしまい質問できなくなってしまうことが多々あった。これは非常にもったいない。それに、実は最初の方がハードルが低いのだ。恥ずかしいレベルの質問でも、一発目なので比較されることがない。2発目以降は誰も1発目のことなんか考えていない。しかも最前中央でずっと講師の話を聞いていると、一対一の個別指導の授業を受けている気持ちになるので、他の人の目線が気にならなくなる。なので意外にさらっと質問できてしまうのも最前中央の特徴。
 「質問したいことがない場合は?」という心配はいらない。なぜなら、30分以上前に会場入りして全力で予習しているし、セミナー中も最前中央で超絶集中して聞いているから、少なくとも一つや二つ、疑問点が出てくるはずだからだ。それでも質問が思い浮かばない人がもしいれば、「今日は絶対に質問するぞ」と決めてセミナーを聞けばかなりのプレッシャーになるので、試してみて欲しい。

懇親会では何も食べない

 セミナーが夜の時間帯に開催される場合、食事付き懇親会がセットになっていることがある。私は懇親会は面倒なのでいつもさっさと帰ってしまっていた。しかし、ある時、『7日で作る事業計画書』(著:赤羽雄二さん)という本を読み、その中に懇親会の重要性が書かれていた。「講演を聞き、資料をもらったらそそくさと帰るというのは、愚の骨頂だ。」という話がでていて、それ以降は懇親会も有効活用するようになった。
 懇親会ではなるべく多くの人と話してみることが目標だ。一人一人と話す時間は2〜5分に留めていろんな人と交流してみるのがお勧めだ。(参加人数が10人以下の場合は、飲み会風にじっくり話すことができる。)
 ここで最大の敵は食事だ。お皿と箸とコップで手が埋まってしまって身軽に動け回れない。ピザが出ることも多いが、手がべちょべちょになって、名刺交換どころではなくなる。「参加費には食事代も含まれてるんだから、しっかり食べてから交流しよう」というのも一つの手だが、私のお勧めは会場入りする前にそこそこ食べておくか、懇親会終了後に食べるかだ。そうすれば懇親会中はフルに交流できる。たぶん、食べるときと食べない時を比べると、2倍ぐらいの人と話せる気がしている。

帰宅時に話した人に挨拶メールを送る

 帰宅途中や帰宅後には、講師の人や名刺交換した人に挨拶のメールを次々と送信する。内容は「セミナー後挨拶メール」という自分が作成したテンプレートからコピペするが、二人で話した内容を思い出し、最後に数行、付け加えるとかなり丁寧で好印象なメールが仕上がる。メールテンプレートの作り方については、こちらの記事を参照して欲しい。「こんな人脈マンになりたくないな〜」と誤解されるかもしれないが、慣れるとほとんど時間をかけずに、ぱぱっとできるようになる。感覚としては、知っている人に会えば「こんにちは」と挨拶をするように、セミナーで会った人に「今日はありがとうございました。」というメールを送るだけの話だ。
 昔はフェイスブックでメッセージを送っていたが、最近は友達になる前の人からのメッセージは見逃されやすいシステムになっており、メールの方がお勧めだ。でも相手のカラーなどにも依存する話なので、皆さんの好きな媒体で良いと思う。技術寄りのセミナーになるほど、参加者はメールやフェイスブックよりも、Twitterでの連絡を好む傾向がある。

「この人は面白い!」と思えば食事に誘う

 懇親会のおいしい食事を我慢までして多くの人と話せば、「おお!この人はすごい!」と思えるような人に出会える可能性が上がる。もしそういう出会いがあれば、別の日に食事に誘うと良い。これは『速さは全てを解決する』(著:赤羽雄二さん)に乗っていた話で、最初はびくびくしながら試してみたが、嫌な顔はされずに快諾してくれることが多い。方法としては「6割本気、4割社交辞令」のトーンで誘ってみて、反応が良ければその日の晩のメールでも誘ってみるのだ。自分が好印象を持っていれば相手も好印象を持ってくれているのかもしれないが、ビビッと来た時は上手くいくことが多い。
 ランチでも飲みでも良いが、1〜2時間ぐらい色々と話すと、自分が知りたかったことをかなり深く知ることができるようになる。「こういうのを試してみれば良いかも」とか「こんな人と会ってみる?」とアドバイスをもらえることも多い。

寝るまでにブログ記事を書く

 最後にやるべきことは、簡単にアウトプットしておくことである。これはその日のうちに片付けてしまいたい。ブロガーであれば、ブログ記事がちょうど良い。セミナー資料を見返しながら、まとめていく。感想や考えたことを最後に加える。感想や考えたことが長くなりそうなら、複数の記事として配信した方が良いかもしれない。
 ブログ記事をささっと書き上げるのが得意でなければ、簡単なメモ書きを10枚程度残しておき、土日などに構成をブラッシュアップしてブログに配信するような2段階手法を取ると良い。セミナー後に帰宅するとそもそも時間が遅いので、ブログ記事で睡眠時間を削るようなことはあってはならない。

終わりに

 ということで、セミナーハックを紹介してきた。何度かこのループを回していると、自分自身の知識レベルが上がってくる。そうすればだんだん物足りなくなってくる。その段階に達したら、次の目標として「自分が講師側に回って発表する」ことや、「自分でセミナーを主催する」ことを目指すと良い。このあたりのノウハウは開発途上なので、そのうち紹介できればと思う。
 セミナーハックは産声を上げたばかりだ。『速さは全てを解決する』(著:赤羽雄二さん)など、一部のビジネス書を除けばノウハウはなく、皆手探りでやっている状態だ。なので今回の記事の中で、「もっとこうすれば良いのに」という感想やアドバイスがあれば、是非教えてもらえれば嬉しい。さらにセミナーハックを洗練させていければと思っている。
 次回は、「なぜそもそもミナーに参加するのか?」「どうやってセミナーを探せばよいのか?」など、今回は網羅できなかった基本的な話を取り上げたい。

広告を非表示にする