若者文化の最前線:DJ社長が率いる『レペゼン地球』の正体

2018年3月ごろに、A氏からあるYouTube動画が送られてきた。A氏は私の知り合いの中では最も若者文化を研究している人の一人で、過去に何度も若者文化の重要なパラダイムシフトを、早期に的中させてきた人物だ。A氏からの情報は私を若返らせてくれることが多いので、重宝している。

今回送られてきた動画はどうやら『DJ社長』と呼ばれる聞いたことも見たこともないDJによる「【レペゼン地球】DJ社長 仕事を辞めたいあなたへ - YouTube」という2分の短い動画である。

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まぁ、内容はそこそこ面白いものの、髪の毛が紫色のヤンキー風の鼻ニンニク兄ちゃんに言われてもそんなに心響くものはなかった。どうせ所持金6円IQは18ぐらいしかないDQNなのだろう。

(「所持金6円、IQ18」は『レペゼン』という歌詞の一部で、レペ狂の皆さんがこの記事を読んだときに歌詞を発掘することを楽しんでもらえるプチサービスです。決してDJ社長さんをディスってはいませんww 念の為。)

DJ社長が率いる『レペゼン地球』の曲を試しに一つ聞いてみたらテキーラ」「ギャル」「ラブホ」「オフパコ」「ヤリ捨て」などの歌詞ばかりで何が良いのか理解不能YouTubeをそっと閉じ、それ以上は深掘りをしなかった。A氏は「コイツらはマジ天才。今後間違いなく来る。日本を代表するグループにすぐになる。」と言っていたが、さすがのA氏も今回は見誤ったか。

見える人にしか見えない「ショートムービーの先駆け」

ちなみに、当時の私といえば、ようやく若い人が大好きな王道系YouTuberヒカキンの面白さがわかってきて、さらにはヒカル・ラファエルなどの少し大人でも楽しめる非王道系YouTuberも楽しめるようになってきた段階だった。ヒカキンにしても、ヒカルやラファエルにしても、YouTube動画にはすごい編集に力を入れて、15〜20分の動画を投稿することが多い。「これこそYouTuberだよな〜」という先入観を身に着けつつあったので、「DJ社長 仕事を辞めたいあなたへ」というあまりに短い2分19秒に違和感があった。マシンガントークするだけで編集は字幕のみ。撮影場所は自宅と思われる白い壁の味気ない背景。BGMなどの音楽や特殊効果音などは皆無。何度も強調される「抵抗するなら、コブシで」というネタもよくわからない。

実は私もYouTuber風の動画を長時間かけて編集しアップし、YouTuberの知られざる苦労を身をもって体験していた時期でもあったので、「こんなんで人気になれるんだったら、誰でもYouTuberになれちゃうじゃん」と心の中で呟いていた。しかし、後に、というか自分の知らないところで現在進行系で、まさに自分が呟いたような「誰でも簡単に」という時代が、TikTokによってこじ開けられようとしていた。今思えば、TikTokのショートムービーの原型を見ているということを、当時の私はまったく気づけなかったのだ。

ちなみにTikTokは15秒の口パクのイメージが強いかもしれないが、1万人ファンを獲得すれば1分まで投稿時間が延長される。その1分の短い動画にファンに向けた濃いメッセージを詰め込むスタイルはTikTokでは人気スタイルの一つに昇華している。(そして意味のわからなかった「コブシで」というのは、キッズに大人気の元ネタがあることを、後にA氏に教えてもらうことにもなる。)

「好きなことで、生きていく」ことの衝撃

翌月(2018年4月頃)にまたA氏からこんな動画が送られてきた。*1

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「またDJ社長かよ。しかも1時間近くある動画??そんな時間ないよ」と思いながら、一応動画を見てみたら、これがなんとめちゃめちゃ面白い。DJ社長の怪しげな身なりに怪訝な目を向けていた私ですら、ボロボロ泣いてしまうほど。

今までDJ社長がどのような経緯で社長になり、どのような思いでDJになったのか。仲間に騙され、多額の借金を抱えて、電気代も払えないというエピソード。『レペゼン地球』というDJ集団の結成の背景。必死の思いでクラブイベントに出させてもらい、夜行バスで全国を放浪とし、自分の出番には「ちびまる子ちゃん」の曲を流すというふざけっぷり。クラブの怖い兄さんに「舐めてんじゃねーぞ!」と怒鳴られる日々。努力とは裏腹に、いつまで経ってもライブには15人程度しか集まらない。それでも成し遂げたいドームライブへの切実な思い。

この動画はYouTube業界でも一定のインパクトがあり、有名YouTuberさんによる「カウンター的『好きなことで、行きていく。』」企画が広がった。なぜカウンターかというと、YouTubeの本来の公式CM「好きなことで、生きていく。」は、いいね数や読者数が使われていたことが象徴的で、「クリーンに、純粋に好きなことをやっていたらいつの間にか有名になりました」的な印象を与えがちである。(もちろんヒカキンも同様な極貧生活をしながら夢を追っていたことは有名であることは知っているが、全体的な打ち出し方としての話。)

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それに対して、この動画のサムネ画像の「¥-60,000,000」が「好きなことを追いかけたら失敗してどん底の苦しみを味わってもそれでも好きなことを追いかける」という一周回って好きなことを追いかける感じがあるから「カウンター」と勝手に読んでいるのだ。

しかし感動というのはたかが感動。お風呂に入って、寝て次の日になれば忘れる。何か自分の人生が変わるわけでもなく、またいつものサラリーマンライフへと舞い戻っていった。

そして時が来た。TikTokの衝撃。

しばらくして初夏に差し掛かった頃だった。

A氏が興奮した様子で電話をかけてきた。どうやらレペゼン地球の最新情報があるようだ。「おい、スゴイぞ、『レペゼン地球』がTikTokに進出したぞ」と相当に高まっていらっしゃるが、当時の私は「TikTokなんぞ?あのYouTubeで嫌という程流れるやつ?」という程度の認識。

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あとで知ったのだが、TikTok運営側がDJ社長・レペゼン地球にお願いをして、動画を出してもらったようなのである。TikTok Japanの渋谷チームは神マーケティングとして伝説を数々と残している。今でこそ上戸彩さんのテレビCMなどを展開しているが、日本で圧倒的知名度を獲得する早期の段階において、その神チームがDJ社長・レペゼン地球に着目したというのは興味深い。それだけ彼らが中高生をはじめとする若年層の圧倒的支持を持つグループであることを示唆しており、TikTokを日本で一層流行らせるためにDJ社長の力が必要だったということだったのかもしれない。

このことについてA氏に聞いてみると、「当然だよ。レペゼンは本業のDJ活動としての曲をTwitterにアップしているけど、それだけじゃなくて、悪ふざけ、ギャグ的な短い動画もたくさん出している。TikTokができる前からね。やっと時代が彼らに追いついてきたんだよ。」と解説してくれた。

そこから私はレペゼン地球の動画を覗きに行くためにTikTokをインストールしたのだが、TikTokの面白さに度肝を抜かれた。これは面白すぎる。ウェブサービスで感動することはFacebook以来だ。Facebookを初めて入れたときに、もう二度と再開することのないと思っていた小中学生時代の友達とポチッと繋がれる。彼らもこんな感じで頑張っていたのか、と。それを知ることなく死んでいく世の中から、緩やかにつながる世の中にアップデートされたその瞬間に身震いした。

だが、TikTokはレベルが違う。皆、恥ずかしげもなく顔をどアップで映しているし、エモーショナルで表情豊かな動画ばかりだ。Facebookで「実名」が出る出ない論争があったけど、実名どころか自分のすべてをさらけ出していく有様に、私の常識が次々と塗り替えられていく。10分ぐらい遊んで終了する予定だったが(レペゼンの動画を検索することを忘れて)そのまま「オススメ」に表示される動画を数時間以上をぶっ通しで見続けてしまった。

いやーすごい。そう思っていたけど、その1週間後には自分でTikTok動画を出すことになり、さらに数ヶ月後には有名TikTokerさん(成瀬くん)の握手会に足を運んだり、TikTok動画の撮影のために、敬遠していた渋谷ハロウィーンデビューすることになると聞いたら、当時の自分は驚くだろうな。このあたりの私の取り組み・感想は以下の記事に詳細にまとめてあるので、気になる方は是非。

流行の最前線にいる有名TikTokerたちの眼差しの先にあるもの

TikTokを徹底的にやり込んでいると、2つのことに自然と気づくことになる。

1つ目。それはレペゼン地球の曲がめちゃめちゃ流行っていること。『バスターコール』の「グイ縦グイ横グイ斜め的な」だったり、『キオトン』の「記憶を飛べー!!」だったり、『5454』のサビに合わせて背中をゴシゴシするダンス。

中毒になりそうな歌詞、15秒に収まるリズム感。Jポップやヒップホップでもなければ、流行りのEDMの枠組みに収まりそうにもない。適度なヤンキー感を纏った独特の音楽性。どっぷりとTikTokをやっていると、以前は理解不能だったレペゼン地球の曲が、いつの間にか好きになっていた。

TikTokをやっているともう一つ気づくことがあった。それは前述のDJ社長の神動画「好きなことで、生きていく」の一部を切り取った15秒程度の音源に口パクを乗せるというものも流行っている。例えば、

で、まあ何から話そうかなって思ったんやけど俺小っちゃい頃病気やったんよね。 しかもその病気結構すごくて、どんな病院とかどんな先生に診てもらっても「まあこれはもう治らないよ」みたいなそういう病気で。 病気の名前は、あの、「厨二病」ゆうねんけど

のような箇所。この一つではなくて、あらゆる箇所の切り取りが行われてそれぞれがバズっている。しかも有名・中高生TikTokerさんがこれらの口パク動画を好んで投稿している事が多く、動画の一言説明文には「尊敬するDJ社長の口パクさせていただきました!」とか「DJ社長にはすごい影響受けてます」とか「憧れのDJ社長の動画をやっと出せました〜」とか。

私は6月以降、TikTokに関する記事はほぼすべて読みつくしてきた。しかし、TikTokの分析記事でDJ社長・レペゼン地球が取り上げられる例は不思議と皆無である。数十万人のファンを持ち、なお人気が急上昇中の中高生TikTokerさんたち。そんな流行の最前線で戦う彼ら・彼女らの眼差しの先には、DJ社長・レペゼン地球がいる。これは若者文化を本当に理解したいと思っている人に今回伝えたいことである。

レペゼン地球 親・恋人とは行けないLIVE | 幕張メッセ

A氏からまた連絡が入った。

「レペゼン地球の幕張ライブに行かないか?」との誘い。どうやら入手困難なレペゼン地球のチケットを2枚手に入れたとのことである。さすがA氏。

ちなみに、YouTubeには、レペゼン地球の幕張ライブチケットは入手できなかったけど、その雰囲気だけでも味わいたいと会場付近でレペ狂(レペゼンファン)にインタビューをするというYouTuberさんの動画が投稿されている。それほど人気のライブだし、YouTuberも参加したいと思わせるものなのだ。

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(この動画の角さんはTikTokでは大変有名かつ人気があるが、YouTubeでは1万人にファンが達していない。レッドオーシャンYouTubeで突破することの難しさを感じるとともに、ニューオーシャンTikTokの持つポテンシャルを感じることができる。)

果たして、私はライブに行くべきだろうか。『https://toricago.hatenablog.com/entry/2018/11/17/080000』でも書いたように、私は最近はめちゃめちゃ忙しい。しかしレペゼン地球となると別腹だ。これは行くしかない。しかもライブ名は「親・恋人とは行けないLIVE」で若者の気持ちを代弁した、センスあるネーミング。

ライブまで日数が少しあったが、それまでの私の運動・ランニングの時間は、インプット・勉強の時間からレペゼン地球の曲の予習のための時間に切り替わった。

異次元ライブの幕開け

そしてライブ当日。海浜幕張駅へ。幕張といえば高校生TikToker成瀬くんとの握手会のために幕張イオンモールを訪れたことを思い出すな。

幕張メッセに近づくにつれ、周囲はレペゼンタオルなどを持ったレペ狂だらけになっていった。オフィス街と自宅を行き来するだけの日々では出会うことのないような若者に囲まれ緊張してくる。

会場入口に到着。入り口付近でA氏の到着を待ちながらレペ狂の参加者層を観察していたが、やはり中高生が多い。しかし以前参加したTikToker握手会と比べると20代も多い。ギャル・ギャル男・パリピが多い。女性比率の方が高そうなことに少しびっくりした。

A氏とともに会場に入場するとライブ開始寸前でライブ会場には叫び声が飛び交っていた。指定されていた席に案内してもらうと同時にライブが始まった。あるオープニングビデオが流れる。どうやらレペゼン地球の全メンバーが遅刻していて会場には着いていない(という設定のようだ)。

それぞれのメンバーと一緒にいるという電話が会場待機中のちばニャンにかかってきて、ヒカルさん、ラファエルさん、スカイピースさんなどの大物YouTuberが続々と登場。YouTuberが登場する度に、会場からは「ウォぉぉっっンンンン!!!!!」のような感情的な声が一斉に湧き上がる。

早速、レペゼン公式YouTubeアカウントで、ライブの最初の30分が公開されているので、こちらからご覧いただけるぞ。めちゃめちゃかっこいいでしょ!?

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YouTubeネイティブ vs. TikTokネイティブ

ちなみに私はいくつかわからないYouTuberグループがあり、修行不足を実感した。しかし中町JPさんが出たときは興奮した。TikTokでは「タンタンやないかい!」の一発芸をこれでもかというほどバズらせ、偽物アカウントまで出てきた新進気鋭のTikTokerだ。

私はYouTubeネイティブではないので、YouTuberを新たに知るためには「勉強」しないといけない。面白くないけど、面白さを理解するために、動画を見続けるようなことをして、他の人が「ヒカキンのここが素敵!」というインタビューを見続けて、やっとヒカキンの面白さを理解できるようになったりした過去もある。

しかしTikTokは勉強ではない。心からエンジョイしていたら、いつの間にか詳しくなってしまっただけ。残念ながら有名YouTuberは知らないグループも多いのだが、TikTokで有名なのに知らない人はあまりいない。中町JPさんのオープニングビデオでの登場とともに、自分はTikTokネイティブだな、と思った瞬間。

TikTokの次に来るものへのヒント

オープニングビデオの作りはなかなか良かった。どんどん気持ちが高まってくる。日本中に点在するメンバーを、有名YouTuberたちが多額の資金力を使ってヘリコプターを利用したり、警察への人脈を駆使したりして、メンバーを急遽幕張に集結させるというストーリー。そもそも2時間のライブのうち30分をオープニングビデオに使ってしまう発想が常識外れだが、動画のいたるところに、プロモーション的にもライブ的にも面白い工夫が行われてきた。

無事、幕張にメンバーが集結。そこで1曲目スタート。曲は『レペゼン』。これはレペゼン地球の最もカッケエ曲の一つ。凄まじい数の照明やライトが駆使されたライブ体験によって、私も、周囲のレペ狂も体中にエネルギーがみなぎり、気分は一気に最高潮へ。ちなみに『レペゼン』の中では「Hip HopよりTikTok」という歌詞が登場するというナウい曲。

実はライブ開始前には撮影禁止とアナウンスされていたのだが、ギリギリに到着したので、それに途中まで気づけずに、最初はスマホを取り出してしまっていた。そして最初の曲の途中で、TikTokのために15秒を撮影しようと必死にかっこいい動画を撮影。後日、レペゼンの曲を聞くだけでライブ中の感動が蘇ってくるんだけど、この最初の曲だけは蘇ってこない。なぜかと言うと、知らず知らずのうちに意識がスマホに行ってしまっているからである。これはすごい貴重な気づきで、我々はソーシャルのためにあらゆる体験を写真や動画を収めようとしている。しかしそれによって感動が失われていることには無頓着である。

ここで少しTikTokのライバルであるTencentの話をしたい。Tencentは、ショート動画アプリ連動型のスマートメガネを中国の11月11日(独身の日)に合わせて投入したばかり。このメガネをつけていれば、見ている世界をそのまま動画に収めることができるというコンセプトで、もともとのアイデアはSnapのSpectaclesからインスパイアされているものである(TencentはSnapにも出資している)。

私は、メガネ型端末とTikTokのような動画系サービスがどれほど親和性があるのか少し懐疑的に見ていた。なぜならいちばん重要な自撮りができないからだ。しかし今回のレペゼン地球の最初の曲『レペゼン』の感動だけが蘇ってこないことを分析すると、面白い瞬間・かっこいい瞬間・美しい瞬間、そういう大事な局面を形に残そうと必死になるほど、その大事な瞬間を味わうことが失われることを実感した。一見トレードオフに見えるが、両方を手に入れようという発想がスマートメガネのイノベーションとも言える。今後、TikTokのようなショート動画業界は、ウェアラブルメガネを始めとするハードウェア市場も巻き込みながらますます競争が激化し、未だ誰も体験したことのないようなプラットフォームへと進化していくかもしれないと思うと、熱い気持ちになるねえ。

あらゆる企業が『レペゼン地球』とコラボしたがっている!?

2曲目以降もアツアツなライブが続く。曲と曲の間にはMCが入る。レペゼン地球のYouTubeチャンネルでも有名になった「テキーラ一気飲み」も行われたが、その直後に、1.5万人の前でゲロを吐く。しかし、その光景に会場が一気に湧いた。まるで男性アイドルにキスされた女性ファンかのような「きゃー!!」という叫び声もあちこちから聞こえてくる…。なかなか異様な体験だったww

途中で、ハローキティちゃんが現れ、一緒に曲をダンスする場面も。実は、ハローキティちゃんと将来的にコラボすることが決定したとも発表された。これは自分としては驚くべきことで、ライブ中にメンバーがゲロを吐いたり、「まんこ」「ちんこ」と連発するような下品な集団に、ハローキティちゃんがコラボ!?!?キティちゃんのブランディング、大丈夫なの?

逆に捉えれば、レペゼン地球が日本を代表するDJ集団に大化けするシナリオをキティ側は描いているのかもしれない。一度国民的アーティストになれば、国民はその世界観の中に引きずりこまれる。そうすると多少の下品さは許されてしまい、クリーンなイメージに様変わりするからね。

さらに途中でもう一つ面白い発表。中国ゲーム企業「荒野行動」とのコラボだ。詳しくは内緒にするとレペゼン地球と約束したので、詳細は紹介できないが、TikTokにしても、荒野行動にしても、中国文化が猛威を奮っているなぁと思った次第である。ローカライゼーションが得意な中国テック企業がレペゼン地球に次々とアプローチしているのも面白いし、本当にあらゆる企業がレペゼン地球とコラボしたがっているんだな、とも思った。

これからの時代に求められるDQN

ライブを聞きながら、これからの時代には、DQN力が求められるかもしれない、とも考えていた。DQN力がない人にとって、レペゼン地球は「ちんこ」「まんこ」を叫ぶ意味不明な集団でしかないし、その面白さはとても理解できない。1.5万枚の幕張メッセのチケットが売り切れる現象も理解不能だろうし、レペゼン地球に憧れる若者たちが今後社会人になったときに、彼ら・彼女らと適切にコミュニケーションを取ることもできないだろう。

個人的には今年はYouTubeTikTokもメルカリもやりこんだ楽しい一年間だったけど、このような若年層に圧倒的に人気なサービスはよく「民度が低い」と揶揄される。でも今後は斜に構えていると、時代のシフトについていけなくなる。ある意味でこれから生きていく上でDQN力は教養じゃないかな。今の時代はあらゆるチャンスが生まれてきているので、DJ社長の言葉を借りれば「人脈、知識、IQ、お金がない」という状態からであっても、新たなムーブメントを起こしやすくなっている。過去5年ぐらいはエリート層から「ヤンキーは地元に閉じこもり、狭い世界で完結した人生を愛する」のような上から目線の分析によって揶揄されてきたヤンキー層の逆襲が、これから始まるのではないか。というかガンガン始まっている。

以前、メタップスの佐藤さんが「マイルドヤンキー層がYouTuberへ、高学歴インテリ層がブロックチェーンへ進んでいるような雰囲気がある。前者はエンタメ、後者はロジックの世界なんで、まるで文系と理系みたいだ。」とツイートしていた。当時これを読んだ私にはよく意味が理解できなかったが、最近はなんとなく今回の記事で書いてきたようなことだったんじゃないかな、という気がしてきている。

この上なく熱いライブが、幕張をビートで刻み尽くす!!

そしてライブは続く。歌詞も完全に覚えているレペ狂に囲まれながら、ニワカな自分も覚えている範囲で歌い尽くした。本当にパフォーマンスがかっこいい。写真は禁止ということで紹介はできないが、こちらのサイトからそのかっこよさが伝わるのではなかろうか。興味があれば是非。
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気づけば、あっという間にアンコール。

琉球アイランド』から始まり、『リメンバー』『-0-Tokyo』の2曲。

特にこの2曲は予習時に何回も聞いていた名曲。途中にEDM風の歌詞のない演奏が続く時間がある。そこでメンバーから「オイ・オイ・オイ・オイ!」と掛け声があり、レペ狂がリズムよく飛び跳ねながら「オイ・オイ・オイ・オイ!」と応答するやり取りが続く。照明効果もマックスに発動され、会場の歓声が耳に振動するとともに、重低音に合わせて胸骨周りが気持ちよく震える。

目を閉じれば、幕張メッセの1.5万人の熱い気持ちと溶け合うような感覚。DJ社長が熱唱する「俺ならできる、俺ならできる、俺には俺が付いている」の歌詞とともに蘇る、あの40分のYouTube動画で語られた、どん底の挫折とドームへの夢。

ライブのことを思い出すと、温かい気持ちになる。人生というのは、こういう美しく儚い思い出によって、心の中をいかに満たしてあげるか、ということに集約されるのかもしれない。そしてその思い出のぬくもりに支えられながら、人生をまた一歩前に進めることができる。その繰り返しではなかろうか。

スゴイものを見せてもらった。ぼーっとしていられないな。俺も頑張るよ。DJふぉい。DJ銀太。DJまる。マネージャー脇。チバニャン。DJ社長。感動をありがとう。


~~ 終わり ~~
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*1:2017年7月16日公開と書いてあるが、これはYouTubeチャンネルをBANされてしまったことで、再度チャンネルを開設したあとの動画。再生数も一度リセットされていることに注意されたい。