ByteDanceの求人情報100件以上から見えた今後のTikTok動向

今まで、TikTokを様々な観点から分析してきた。

ときに有名TikTokerさんのオフ会に潜入してみたり、

別のTikTokerさんの1万人を超えるライブにも参加してみたり、

ときに様々なビッグデータを解析することでTikTokの流行に対する理解を深めてみたり、

自らTikTokアプリをやりこみファン数を数千人獲得したり、

渋谷ハロウィーンに足を運び、TikTokがどれだけ浸透しているのかを確認したり。

そして今回はまた違った視点からTikTokをみていこう。

ずばり、

TikTokを運営するByteDanceの会社の求人情報を分析することで、いま、TikTokはどんな人材を求めており、今後はその人材をゲットしてどんな事業を展開しようとしているのか?

をみていく。

そこで、LinkedinでByteDanceの求人をざっと見てみた。

100件以上あったが、すべてに目を通してみた。

世界中で人材を募集しており、いかにグローバルな企業であるかということは実感できた。そして、いくつか印象深かったものを紹介していこう。

私が確認した時点(2018年12月)で存在したものであり、閲覧した時期によっては募集が行われていない可能性もあることに注意されたい。

TikTokの公式の説明文

まず、色々な人材募集ページに、TikTokの公式の説明文が上がっていて、内容が良かったので紹介。

TikTok is a destination for short-form mobile videos. Our mission is to capture and present the world's creativity, knowledge, and precious life moments, directly from the mobile phone. TikTok enables everyone to be a creator, and encourages users to share their passion and creative expression through their videos.

素晴らしい説明文!

書いてあることはつまり、

世界のクリエイティブな瞬間や、知識、人生の貴重な局面をスマートフォンから直接捉えることがミッション

そしてTikTokは、誰しもがクリエイターになり、自分のパッションやクリエイティブな創造力を動画を通して発揮することを可能とする、

と。いいねえ〜

それでは本題に。気になった人材募集を少しみていきましょう。

Head of Public Policy

こちらは韓国で募集中のもの。

これは興味深い職種である。

韓国政府、NGOs、企業などをウォッチし、新たな政策、プライバシーやセキュリティ、特許、テクノロジーに関する論争など、会社に影響を与えそうなイベントなどを注視していくお仕事のようだ。生産担当者など、キーパーソンとバイトダンスを代表して意見交換したり、公の場でバイトダンスの立ち位置を伝えたりする役割もある。それらの業務で培った政策に関する知識を、バイトダンス社内にも還元していくパイプのような存在である。

これをPublic Policyと呼ぶらしいが、そのPublic Policyチームのヘッドの募集である。公式の文章は下記の通りだが、求める人材も業務内容も、かなりレベルが高そうである。

業務内容を引用させていただくと、

  • 1. Monitor the Korea political and policy environment, more specifically Korea for issues that interest and impact the company
  • 2. Work with policymakers, private sector partners and non-governmental organizations (NGOs) on issues of privacy, safety and security, intellectual property, e-governance, content policy and other technology-relevant public policy concerns
  • 3. Represent Bytedance in meetings with policy-makers, civil society and other relevant stakeholders
  • 4. Communicate Bytedance’s positions in public presentations
  • 5. Enhance the policy community's understanding of the Bytedance platform
  • 6. Advise Bytedance teams on public policy matters emerging in Korea.

必要条件を引用させていただくと、

  • 1. 8+ years of demonstrated experience managing public policy and/or government relations and advocacy work
  • 2. 3+ years work experience in a public policy team of a global internet company is preferred
  • 3. Keen understanding of the Korea political system, environment and institutions with a distinct focus on Korea.
  • 4. Outstanding judgment and persuasive skills, creativity, and the ability to work in a dynamic environment
  • 5. Experience in policy work for a multinational corporation or government preferred
  • 6. Interest in emerging technologies and policy work
  • 7. Superb written and oral communications skills
  • 8. Advanced degree in public policy, a related field or law degree preferred
  • 9. A vast understanding of Korea content regulations, as well as familiar with content regulators in the region

Safety Programme Manager (Online Community Content)

次は、ロンドンにて。

Safety Issuesを主に扱う職種。様々なステークホルダーと関係を構築とあるが、ステークホルダーには政策担当者やNGOs、研究者やリサーチャーなど幅広く含まれるようだ。

「Safety」の意味がいまいち掴めないが、予想ではセキュリティ関連、プライバシー関連、青少年の育成関連など全般的な「Safety」ではなかろうか。

これは韓国で募集中のPublic Policyと近しい印象を受ける。確かに各国で事情が異なる中、こういうポジションを様々な国で置いておくことは大変重要なことなのかもしれない。

今急激に伸びているByteDanceにとって、社会問題として炎上したり、必要以上の規制が導入されてしまうことが何よりもリスクなのである。

今年の夏には、インドネシアで急にTikTokがBANされることが起きたが、そのときもByteDanceは早急に手を打ち、インドネシア政府を前言撤回に持ち込ませるという神業を見せてくれたことがあった。

その背後には、マクロ経済政策の見通し、政策担当者などとのパイプ作りがあり、このような極めてレベルの高い業務を行える優秀な人材を、計画的に獲得しようとしているByteDanceのしたたかな戦略が垣間見れる。

詳細に興味がある方は公式の説明文もどうぞ。業務内容を引用すると:

  • Build relationship with and understand the perspectives of external stakeholders, including public policy makers, NGOs, subject matter experts, academics and researchers
  • Perform in-depth analysis of the safety perspectives with internal teams such as Product, Policy, Operations, Marketing, PR and Legal
  • Analyse and provide feedback on our community strategies, products to ensure relevant safety issues and external perspectives are appropriately addressed
  • Proactively identify room for improvement regarding safety issues and launch/facilitate projects to improve safety

必要条件を引用すると:

  • Bachelor's degree in Public Policy, Legal, Political Science or similar fields
  • Sensitive to content/online-community safety issues
  • Deep knowledge of content/social media products
  • Project management experiences
  • Experienced in public policy, policy enforcement, law, NGO or safety
  • Work experience in technology/social media/content sectors, specifically on safety issues
  • Proficiency in French or German languages
  • International work experience

リサーチサイエンティスト・ソフトウェアエンジニア

こちらは、シリコンバレーでのリサーチサイエンティストのお仕事。

仕事内容は、最先端のテクノロジーを用いて、スピーチ、音声、自然言語処理などを行う。コンテンツをAIが理解したり、生み出すにはどうすればよいのか、それをより高いレベルで、大規模なスケールで実装する。

深層学習に対する実務経験(TensorFlowなどを使える)、プログラミング言語C/C++ and Python)が使える、Top CoderやKaggleで入賞経験があるなどと書かれている。

自然言語処理機械学習などの分野のトップ会議で論文を通した経験、SequenceモデルやGenerativeモデルの知識、Low-level performance optimizationやGPUプログラミングの経験があれば、なお良い、とのことだ。

詳細は下記の通り:

  • Build core technology and conduct cutting-edge research in speech, audio (including music) and natural language processing. We aim to improve or define new ways to serve content understanding, dissemination and creation.
  • Land technology advances to various ByteDance’s products (e.g. Toutiao, TikTok).
  • Build large-scale infrastructure to support efficient and high-quality research and development.
  • Investigate new products with artificial intelligence technology at its core.

必要条件も引用させていただくと、

  • Deep understanding and hands-on experience on various deep learning techniques; familiar with deep learning frameworks such as TensorFlow.
  • Master at least one or two programming languages in Linux environment, especially C/C++ and Python.
  • Highly competent in algorithms and programming, prefer winners in ACM/ICPC, NOI/IOI, Top Coder and Kaggle.
  • Curious, self-driven and self-motivated with the ability to work in a fast-paced collaborative team.

加点材料は、

  • Publications in top conferences in speech, NLP, machine learning, etc.
  • Knowledge in sequence models and generative models
  • Experience in low-level performance optimization and/or GPU programming

フルスタックエンジニア

こちらは、サンフランシスコ、ベイエリアにて。

必要条件を引用:

  • Obtain BS degree in Computer Science, similar technical field of study or equivalent practical experience
  • Software development experience in one or more general purpose programming languages
  • Experience working with two or more from the following: web application development, Unix/Linux environments, mobile application development, distributed and parallel systems, information retrieval, developing large software systems, and/or security software development
  • Working proficiency and communication skills in verbal and written English

加点材料を引用:

  • Obtain Master/PhD degree, further education or working experience (prefer 3+ year of experience) in engineering, computer science or other technical related field
  • Experience with one or more general purpose programming languages including but not limited to: Java, C/C++, C#, Objective C, Python, JavaScript, or Go.
  • Interest and ability to learn other coding languages as needed
  • Communication skills in verbal and written Mandarin
  • Willingness to travel between China and US

ふむふむ。まぁこんなところなんだろうか。特徴は中国語のスキルがやはり求められはじめる。また、中国とUSを行き来することになることが読み取れる。

ソーシャルメディアマーケティングスペシャリスト

インドネシアなどで募集中。

必要なスキルは、

  • SNSに対する理解、戦略を立てるスキル、SNSのコンテンツを管理・運営すること、新たなトレンドを発掘すること、週次・月次・四半期・年次レポートを作成し、成功レートを報告できること、ソーシャルメディアのコミュニティと良い関係を持ち、新たな関係も構築できること、競合分析など。

必須要件は、

  • 学部卒、SNSやデジタルマーケティングブランディングなどの分野で2年の実務経験。東南アジアで成長中のコミュニティプロダクトに対するパッション、ゼロイチを達成する起業家精神、エンタメ産業やIT産業での経験は加点、問題解決スキル・分析力、インドネシア語がネイティブで話せて、英語または中国語を流暢に話せること。

当然、即戦力となる人を求めていることが読み取れる。またインドネシア語がネイティブで、英語か中国語のどちらかが求められるというのがポイントかな。

PR・コミュニケーションズディレクター

次は、東京で募集中のPR・コミュニケーションズディレクター。

業務内容は、

  • TikTok PR戦略の立案·実行。
  • 日本のマスメディアとのリレーション構築。
  • ビジネスチームとプロダクトチームと協力し、マーケティング、オペレーション、プロダクトなどにおける戦略
  • キャンペーンに関わるPR戦略の立案
  • PR会社と連携してのイベントの立案·運営·司会進行

などと書かれている。

そして応募資格としては、

  • 学士号をお持ちの方
  • PR、マーケティング、プレスなどの経験をお持ちの方(5~10年程度)
  • 広報、PRの実務経験、プロジェクトマネジメント経験
  • SNS(ソーシャルメディア)、IT企業の実務経験
  • 消費者テック、小売業における経験
  • 日本マーケットに関する実務経験がある方歓迎

などと書かれている。

仕事内容もTikTokに特化した内容のようである。消費者テックという言葉は初めて聞いた…。色々勉強になるね。ByteDance東京チームで働いてみたい方は、要チェック!!

PRインターン

カリフォルニアでのインターンも。

業務内容をざっとまとめると、

  • 日次、週次のディアモニタリングを行う。
  • マーケットリサーチやコンテンツ分析を行いPRプランニングのサポートを行う。
  • コンテンツ作りも行い、メディアリストやデータベースを更新する。
  • その他、様々なPRのプロジェクトにも携わる。

必要条件をざっとまとめると、

  • 学部生、大学院生。
  • 専攻は英語、ジャーナリズム、国際関係、マーケティングが望ましい。
  • 英語での読み書き、コミュニケーションをとる能力は必須。
  • 週に3日を最低4ヶ月。
  • 知的好奇心。
  • 広報に対する情熱。
  • デザインスキル(Adobe PS, AI)があればなお良い。

という感じだ。各国で当然、説明文が異なるし、職種の違いもあるものの、求められるスキルも少しずつ違うのが面白いね。

インフルエンサーマーケティングインターン

こちらはベルリン、ドイツで募集中。

業務内容をざっとまとめると、

必要条件をざっとまとめると、

などと書かれている。

こちらもインターンだが、内容は「インフルエンサーマーケティング」ということで米国のPRインターンと異なる。

TikTokを短期間でここまで拡大させたマーケティング手法を垣間見ることができるかもしれない、すごい機会だ。

終わりに

今回は、ByteDanceがLinkedinで募集中の様々な求人のうち、TikTokという単語を含むものに絞り、その中からさらに私がいくつか紹介してみた。

気になる人は是非、Linkedinに行って色々と閲覧してみると良いと思うぞ!!