世界で最もTikTokを愛している男が、秘伝のTikTok情報収集術を全公開する

TikTokは現在進行系でどんどん進化している。一気に有名になったので、今となっては誰もがTikTokの存在を認知しているが、その全体像を把握している人は少ない

TikTokのニュース量は非常に多いだけではなく、そのほとんどが実は日本では報道されない。かなりの工夫を取り入れない限り、TikTokの最先端についていくことができない。

例えば、先日は「TikTok Pay」に相当するBytePayの商標登録がByteDanceによって行われたり、中国版TikTokでは動画の制限時間は2分に拡張されたと海外では報道されているが、日本では一切情報が出回っていないフィンテックTikTokにはどんな可能性があるのか。そしてショートムービーと形容されてきたTikTokは今後どこまでロングムービーを許容していくのか。

このようにTikTokを深く理解できなければ、その周辺で起きているソーシャルメディア革命、ショート動画市場の社会的役割、一見関連の薄いフィンテックと動画の関連性、中国テックの凄まじい勢い、最先端AI技術やコンピュータビジョンのビジネス利用、ポストインフルエンサー時代の幕開け、動画アプリの課題(プライバシー問題や青少年保護に関する規制の可能性)、さらにはそれらの課題をテクノロジーでどこまで解決できるのか、などの話も適切に追うことが困難になる

もちろん、これらの話題をそもそも追う必要がない人も多い。そうであれば問題ないが、今後のテック業界の行方を注視しておきたい方、最先端テクノロジーの社会実装の動向を抑えておきたい方、若者文化のパラダイムシフトを適切に捉えたい方、マーケティングやプロモーション関連のお仕事に携わっている方、TikTokの次に来る世界を自ら描き、それに向けて起業の準備を始めたい方などにとっては、TikTok現象を追い続けることのプライオリティは極めて高いはずだ。

さて、TikTokを深く理解し、AI、フィンテックインフルエンサー、プライバシー問題など、様々な話題がある中で、その点と点をつなげて線にするにはどうすればよいのか?

答えはシンプル。それは、死ぬ気でTikTokについて朝から晩まで考えるしかない*1。いったいTikTokで何が起きているのか?今後どうなっていくのか?自分なりに情報を集めまくって、TikTokアプリで遊びまくって、TikTokerのオフ会にも行ったり、自分で動画を投稿して研究に研究を重ねる。

しかし、そういう精神論だけではなく、もう一歩踏み込んで、「具体的に」どのように情報を集め、どのようにTikTokに対する理解を深めていけばよいのか、というワザの部分も公開しよう。

<目次>

グーグルアラートを日英中の三ヶ国語で設定する

私はグーグルアラートのヘビーユーザーである。グーグルアラートとは、あるキーワードを設定しておけば、それに関する新たなウェブページが出たときに、それを通知してくれるGoogleのサービス。ニュースだけではなく、ブログやフォーラムなど、多様なソースから自動的に収集し、メール(またはRSS)でその情報を毎日届けてくれる。

ヘビーに使うようになったのは『速さがすべてを解決する』(著:赤羽雄二さん)という本で紹介されていたのがきっかけ。この本にも書いてあるけど、日本語キーワードを登録しておくだけではなく、英語でも登録しておくのがポイント。

TikTokの場合も、日本語の情報源だけでは重要な情報を漏らしてしまうことが多々あるので、英語のニュースソースも必須だ。

しかしTikTokの場合は、それでも不十分。なぜなら、中国語の記事でしか手に入らない情報も多い。例えばこないだはTikTokを運営するByteDanceが中国検索エンジン大手のBaiduを訴えているという話があったのだが、日本語や英語ではほとんど情報が出回っていなかった。このような場合は、Google Alertで中国語でもキーワードを登録していると、ちゃんとニュースを拾えるので助かる。

残念ながら中国語は読めないため、Gmailの「メッセージを翻訳する」という機能を利用している。現時点では翻訳精度はそこまで高くないが、雰囲気をつかめるので、面白そうだと思えばリンク先に飛ぶ。リンク先でも再び翻訳機能を利用し、中身をざっと読んでいく。

登録しているのは、ざっと以下の通り:

TikTok関連のもの
  • TikTok(日本語、英語)
  • TikToker(日本語、英語)
  • 抖音, 抖音短視頻(中国語):TikTokの中国語名
  • ティックトック(日本語)
  • ティックトッカー(日本語)
  • ByteDance(英語)
  • バイトダンス(日本語)
  • Zhang Yiming(英語):ByteDance創業者の名前
  • 張一鳴(日本語、中国語):ByteDance創業者の中国語名
  • RERAISE(日本語):TikToker事務所(私の好きな成瀬くんもRERAISE所属)
TikToker関連のもの
  • レペゼン地球(日本語):ティーンに大人気のDJ集団(TikTok内で曲が頻繁にバズっている)
  • DJ社長(日本語):TikTokで爆発的人気を誇るDJ集団のリーダー
  • ヨルシカ(日本語):TikTokでヨルシカさんの楽曲がよく使われている
  • 神堂きょうか(日本語):密かに目をつけており、今後ブレイクする可能性の高いTikToker

(その他多数のTikTokerさんたち)

関連アプリなど
  • SHOWROOM(日本語)
  • スナップチャット(日本語)
  • Snap, Snapchat(英語)
  • Kuaishou(英語):TencentやBaiduに投資されるユニコーンによる動画アプリ
  • 快手(中国語):Kuaishouの中国語名
  • lasso(英語):FacebookTikTok風アプリ名
  • ZEPETO(日本語、英語):韓国NAVER傘下SNOWのアバターアプリ(日本LINEもNAVER傘下)

自ら情報発信するときのポイント

毎日グーグルアラートのメールが大量に送られてくるので、それだけでも結構な量になるが、それをどんどん捌いていく。私はTwitterにコメント付きで投稿することを目標にしているので、それがアウトプットの目安になっている。

なので、Google Alertで記事を大量に読むのが面倒な人は、私のアカウントをフォローしておくのも良い(宣伝)。
https://twitter.com/toricago_blogtwitter.com

さらに、数週間に一度は、数多のツイートを束ねて、洞察も深め発展させることで一つのブログ記事にしていく。それによって、自分独自の「TikTok新聞」のようなものができ上がる。過去のTikTok新聞はこちらの記事たちだ:

このようにツイートだけではなく記事としてもアウトプットすると、非常に理解が深まるし、TikTokのニュースに対して、自分なりに考えてみるきっかけになる。

ちなみにTikTokについてすでに10万字以上書いているが、日本では(もしかしたら)最も発信している状態になってしまった。それぐらい書けてしまうほどネタがどんどん積み上がっていくはずだ。

各種ビッグデータを活用する

これは以前のこのブログの記事で紹介したとおり。

上の記事では、Wikipediaデータ、広告データ、検索データを通してTikTokの理解を深める方法を紹介している。

多少のプログラミングスキルとエクセルスキルがあれば、この記事で紹介したようなデータの収集・分析は比較的簡単に行えるはずだ。

昔であれば、このようなデータにアクセスすることはハードルが高かったが、オープンソースの様々なライブラリや無料のビッグデータが増えており、個人が簡単に分析できるようになった。

いろいろな記事を読み込むのも良いけど、自分でデータを集めて、自分なりに考えないと、新たな視点は生まれない

TikTokアプリの利用を一日15分に抑える!?

やっぱりTikTokアプリの中が現場。アプリの中ですべてが起きている。なので、一日10分でもよいからTikTokアプリを開いて、他の人の動画をエンジョイするのを習慣とするべきである。新機能も自然と気づくし、人気のTikTokerさんも次第に覚えるし、どんな企業が広告を出しているのかもわかるし、流行っている曲にもついていけるようになる。

動画を定期的に投稿する

できれば自分で撮影して、動画を投稿するとなお良いだろう。YouTuberとTikTokerでは敷居の低さが全然違うことを実感できるに違いない。敷居が低いとは良く言われることだけど、自分で経験するとほんとうの意味で理解が深まる。

「一度投稿して終わり!」ではなく、定期的に投稿すると、時系列でどんどん投稿のしやすさが向上していることも実感できるだろう。

コメント欄も読み込む

コメント欄も勉強になるので、なるべく読むと良い。TikTokerのオススメに出るのはトップオブトップのTikTokerたちだが、コメント欄では一般TikTokユーザーによる独特の文化が構築されている。バズる動画を作る才能がなくても、コメント欄で楽しむという方法もあり、多くの人が実際気の利いたコメントを書こうと必死になっている。最近は「〇〇と思った人ボタン→♡」というのが流行っている。「♡」を押すと、コメントにいいねしたことになるのだが、自分のコメントを一種の「ボタン」のように見立てているのだ。そしてこの「○○」に、動画を見ている人の気持ちを上手く代弁するような解説を入れられた人は、たくさんの♡が集まる。

この世界観は実は、はてなブックマークと結構似ている。気の利いたブクマにはたくさんスターが集まるし、ブクマコメントを残す人は必ずしもはてなブロガーではなくて、コメントを残す方がメインの活動だったりする。

適切なTikTokアプリ利用時間

TikTokを極めるには、10分と言わず、30分も1時間も見続けたほうが良いのだろうか?

あまりそうは思わない。ある人が面白いネタを思いついて、それがバズりにバズるというのを繰り返すのがTikTokである。なので、長いこと見続けると、同じネタを他の人がやる動画を何度も見ることになるだけであり、情報量はそんなに増えない。

今までの経験では10〜15分で辞めることができれば、面白い動画に笑わされたり、感動的な動画に心動かされたりして、清々しい気持ちで現実に戻れる。

しかし、それ以上閲覧してしまうと、数多くの「15秒の濃い動画」を長時間に渡って見続けてしまうことになる。すると当然、脳が疲弊する。そして、それ以降の仕事なり何なりに支障が出ると思う。

有名TikTokerさんのオフ会やライブに行く

そうやってTikTokをやり続けていると、「オフ会」というものの存在に気づくようになるだろう。これは全国各地でTikTokerさんたちによって開催されており、例えば公園などでやったり、商業施設で行われることが多い。以前、成瀬くんという大人気高校生TikTokerの握手会・撮影会に参加したことがあるが、いろいろと勉強になった。そして(TikTokで流行っている)DJ社長率いるレペゼン地球のライブにも参戦した。
toricago.hatenablog.com
toricago.hatenablog.com
ちなみに詳しくはこれらの記事で紹介した通りだが、本当に色んな意味で勉強になるので、少しでも気になるTikTokerが何らかのイベントを開催しているなら、足を運んでみてはいかがでしょう?

Twitterではビジネス系とTikTokerアカウントの両方をフォローせよ

TwitterではByteDanceや中国テックにつぶやいている人をまずフォローするのが良いだろう。TikTokアプリの中を見ているだけでは得られない有益なビジネス視点が得られるはずだ。しかしそれだけでは足りない。

なぜなら、そもそも若者ドリブンなウェブサービスは、業界の通なベテラン勢でも予想が難しいし、コンセンサスになっている考え方をそのまま受け入れると、自分も道を誤ってしまうリスクが高まる。

そこでオススメしたいのが、ビジネス系アカウントと同時に、有名TikTokerさんを多数フォローすること。これにより、流行の最前線にいるTikTokerたちはどんな景色を見ているのか、そしてTikTokに対してどう感じているのか、どういう不満を持っているのか、などを垣間見れる。

例えば先日はあるTikTokerさんがこんな事を言っていた。それは、TikTokerは影響力が大きいので、「動画で選定された曲のイメージが損なわれる」という理由で、TikTokerが批判されていると。それに対する自身の見解を述べていた。他にも、アーティストのコアなファンからは、「TikTokの曲だと思われたくない!」という批判がよくあるらしい。

そもそも私はこのツイートを読むまでそういう批判があったことすら知らなかった。確かに、曲の一部を切り取り、本来のアーティストの意図とは異なる解釈をして、下品なネタとしてバズらせてしまえば、曲のイメージはずいぶんと変形してしまうだろう。「トップ層のTikTokerは、こういうことにも気を遣っているのか」と感心するし、ビジネス界隈では上がらない話題である

今後TikTok広告がますます一般的になっていくのは明らかであるし、TikTokerにお願いするタイプの「企業案件動画」(公式広告動画ではない)も18年末ぐらいから増え始めている。TikTokerさんに色々とお仕事を依頼したいと思っているマーケティングやプロモーション系の方であれば、こういうTikTokerの心情まで理解できるようになっておきたいところである。

TwitterではTikTokerを見つけるのが困難

ビジネス系のアカウントの発掘は簡単だ。バイトダンスや中国テックについてツイートをしている人を探してフォローするだけ。一方、TikTokerはどうか?

「TikTokerを調べればいいんだろ?」と思うかもしれないが、TikTokerとプロフィールに入れている人はだいたい駆け出しTikToker。私のTwitterアカウントもTikTokerと入れてるけど、それはTikTok界隈でスターになりきれていないことを暗に示している。トップ層のTikTokerはわざわざ入れない。

渡辺直美がプロフィールに「インスタグラマー」って入れてるのを想像できないでしょ?トップ層はその必要すらない。*2なので、トップ層は検索しても出てこない。

ではどうするか?TikTokアプリでTikTokerのプロフページを見ると、Twitterと連携させている人が多い。そこからTwitterアカウントを上げている人を見つけて、Twitterに飛ぶことでフォローすることができる。これによって、TikTokで人気な人をTwitterでもフォローできるようになる。

しかし、実際にそうやってTikTokからたどってみると、TikTokで人気があっても、Twitterでは全然人気ではない人が多いことに驚くだろう。これはTikTokの勢いを示していて、私もTikTokでは数千名以上のファンがいるけど、TikTokは現在どんどん拡大している市場で、ファン数を増やしやすいという追い風が吹いているのだ。何が言いたいかと言うと、TikTokで頑張っている人をフォローしたいので、Twitterのフォロワー数は少なくても気にする必要なし、ということ。

Nuzzelを利用する

ただ、熱心にTwitterをやり込むと、それこそ時間が無限に消えていく。そこで私が重宝しているのがNuzzelというアプリだ。

Nuzzelでは、フォローしている人が紹介したリンクが、別のフォローしている人によっても紹介されていた場合にランクが高くなる。自分がフォローしている多くの人が言及した記事は、その業界では重要な情報であるに違いない、という考え方に基づいている。これをランキング形式でメールで届けてくれる。このウェブサービスの利点は、Twitterのつぶやきを一切読まなくても良いことである。

私は毎朝、Nuzzelから届けられるメールを読むことから一日が始まる。

ヤフー知恵袋などフォーラム系は宝の宝庫

ヤフー知恵袋Reddit、Quoraなどでの相談内容も、ガチ勢にとっては非常に勉強になるありがたい投稿があがっていることが多々ある。

例えば先日はある人が「このポーズの動画を探しているのですが、どうすればよいですか?」という相談があったが、これは逆に言えば、現在のTikTokでは解決できない課題があるということを示唆している

このように、「実際のTikTokユーザーが、どういう悩みを持っているのか?」を知ることに適しており、新聞やニュースなどでは仕入れることができない視点を得ることに役に立つ。しかしこれもガチ勢向けのテクニックであり、「多少TikTokについても張っておきたい」というレベルの方は不要だろう。

メルカリでTikTok関連の出品をチェック

メルカリではあるキーワードを含む出品があれば通知をしてもらう機能がある。私は「TikTok グッズ」というキーワードを登録しているので、そういう出品があるとメールが来るようにしている。動画で流行っているアイテムがあると、その需要が高まり、メルカリでも出品されるので、勉強になる。例えば以前はTikTokで流行っているトランジションと呼ばれるスタイルの動画を撮影するための自撮りライトなども出品されていた。イメージはこういうもの:

画像はAmazonより

またTikTok限定グッズの値段も見ることで、TikTokのブランド力がどの程度なのかも理解することができる。例えば単なるTikTokのTシャツで1万円以上で落札されていることもある。他にも、TikTokのシール、TikTokの帽子の値段を定期的にチェックしている。

LinkedinでByteDanceの求人情報を見る

Linkedinにアカウントがあれば、Linkedinの検索機能を使って、ByteDanceが出している求人を一通り見てみると、今ByteDanceがどんな人材を求めていて、今後は何に注力していきたいのかが見えてくる。詳細については、すでにこの記事で解説したとおり。
https://toricago.hatenablog.com/entry/2018/12/29/080000toricago.hatenablog.com

終わりに

他にも色々とあるけど、一旦ここまでで終わりにしよう。

TikTokを追い続けるのはそれなりに大変だが、TikTokを追いかけてきたこの半年間で、ずいぶんと視界がクリアになった気がしている。これからもTikTokのガチ勢として居続けられるように、TikTokをエンジョイし続けたいw

twitter.com

*1:少し大げさに書いてしまいました。本業はTikTokと無関係のため、本業勤務中は除きます。

*2:ただし、YouTuberは必ずしもそうではなく「YouTuber」と入れている事が多い。例えばヒカキンさんのTwitter名は「HIKAKIN 😎ヒカキン 【YouTuber】」、ラファエルさんは「Raphael(時給日本一ユーチューバー)」とある。